まんちの樹は、猫をダシに稼ぐではなく、我が家の孫を嫁・婿に出す気持ちです。
ショーブリーダーのような良い血統のマンチカンより
家族になって飼いやすい性格の良いマンチカンを目指しています。
まんちの樹のベビーは
①マンチカン×マンチカンと
②異種交配のマンチカン×ドメスティックキャット(MIX猫・家庭猫・立耳のスコテッシュストレート)
の2タイプがいます。
なぜ異種交配もしているか、
なぜスコテッシュフォールドに見える長足折耳マンチカンがいるのか(メロンママ)
なぜわざわざ立耳のスコテッシュストレートを異種交配に選んだのか、
なぜ近親繁殖・同系統繁殖・異系繁殖を使い分けているのか、
〔繁殖についての考え②〕以降でお話ししていきます。
まず、繁殖の基礎の話です。
基本的に、猫は犬とは違い、
多頭出産で、たくさん産んで生きられる子だけを育てます。
猫の繁殖力は相当なもので、Wynne-Edwards(1962)は、
自由交配環境メス猫の場合、10年間で50~150匹の子猫を出産すると試算しています。
Bloomberg(1996)によると、1世代ごとに8匹の子猫が生まれたとすると、
始めは1匹だった猫が、7年後には174,760匹にまで増えると試算しています。
猫がこうした高い繁殖力を誇っている理由は、子猫の死亡率が非常に高いからです。
すなわち、死産が多く認められ、奇形が多く出やすいです。
新生児は
①未熟児
②進行性衰弱症候群
③先天異常・形成不全・口蓋裂・水頭症・先天性心疾患・スイマー等
が出る事があります。
ブリーダーは、可愛いベビーの幸せと、時には悲しい現実も経験しないといけない仕事です。
さて、マンチカンの短足は突然変異と認定されています。
(出展:アジアキャットクラブ:http://www.asiacatclub.com/munchkin.html)
短足は突然変異で、その猫(短足の親)自身は問題はありません。
しかし、繁殖としては、短足の親同士では高確率で短足の子が産まれますが、
親の矮性遺伝子を引き継ぐことにより、その遺伝子が同型接合体になり、
同型接合体になる事で致死遺伝子(死産・奇形)になるので
短足×短足の交配は避けるべきですし、
まんちの樹では短足×短足は嫁婿に出していません。
また、この短足は優性遺伝(形質が現れやすい)で、足長は劣性遺伝(形質が現れにくい)です。
そのため、他の純血種に比べ、悲しい現実も経験します。
わかりやすく言うと、
短足の優性遺伝子はA、長足の劣性遺伝子をaと考えると
この短足優性遺伝子Aは劣位の致死遺伝で、ホモ(AA接合)の場合は致死か奇形になります。
【例】短足A×短足A=短足AA←全て短足が産まれますが、致死遺伝で死産か奇形か危険猫になります。
※致死遺伝子:表現型の影響が強く、その保有者を殺してしまう遺伝子。
どの生育段階で死亡するかはわかりません。
1・子宮内で死亡するケース(死産)
2・ひどい奇形を持ち、出生後早期に死亡するケース(1週間以内に死亡が多い)
3・成猫になるくらいで、腸や膀胱等の内臓器等の異常により、突然死するケース
致死遺伝子は、優性・不完全優性・劣性がありますが、マンチカンは優性なので危険です。
そのため、短足マンチカンを産ませたい場合は、
短足A×長足aで、できるだけ奇形の出ない交配となります。
【例】短足A×長足a=短足AAか短足Aaか長足aa←短足AAは死産か奇形。短足Aaは安全な短足。長足aaは安全な長足。
短足Aaは長足aの遺伝子も受け継ぐので、一般的には遺伝子型はAaの異型接合体となり、安全な短足となります。
長足a×長足aは安全ですが、マンチカンらしい短足が産まれません。
【例】長足a×長足a=長足aa←全て長足で産まれ、致死遺伝子Aを持たないので安全です。
昔は短足×短足の交配をしているブリーダーが多く、
マンチカンは弱い・突然死すると言われていましたが
通説を守って、太りさえしなければ、マンチカンは健康な猫です。
また、マンチカン交配による足の確率は
短足×足長→産まれる確率は短足25%、長足75%
長足×長足→産まれる確率はほぼ長足のみ
になりますので、短足は相場が高くなってしまいます。
マンチカン繁殖反対派の意見がある事は知っています。
でも、マンチカンは性格がとてもよく、家族にしたら幸せ猫ライフが送れる猫種です。
だから、AA遺伝子を出さない異種交配も始めました。
健康なマンチカンを家族に迎え、たくさんの家族さんが幸せになってもらえたら
と母ちゃんはマンチカンブリーダーをしています。
母ちゃんは、猫親戚さんの皆さんがマンチカンを家族にして幸せになってくれていると信じています。
猫に対する愛の形が違う方、マンチカンやスコティッシュフォールドは危険と思っている方、
まんちの樹は、真摯に、誠実に、マンチカンブリーダーをしています。
少しずつ考えを書いていきますので、おつきあいください。