今日は折耳の話です。
スコティッシュフォールド(スコ )の折耳は
スコ特有の好発疾患で「骨軟骨異形成症」を発症する事があります。
骨の成長や関節軟骨の構造に異常が生じ、進行性の四肢遠位、尾の変形を示す遺伝性の疾患です。
この「骨軟骨異形成症」の発症には折耳遺伝子(Fd)と関連があり、
特にホモ接合(Fd /Fd)で症状が重症になります。
折耳遺伝子(Fd)は優性遺伝(形質が現れやすい)です。
折耳遺伝子が「F」、立耳遺伝子が「G」だとすると、
折耳F ×立耳G→ 折耳FF・折耳FG・立耳GG(折耳FFとFGが1/3。立耳GGが2/3)
折耳F ×折耳F→ 折耳FF(骨軟骨異形成症が重症)
となるので、スコ交配は折耳×立耳の交配になります。
(またはキャットクラブによっては折耳でない異種交配が可能になっています。
折耳スコ×立耳スコ より折耳スコ ×アメリカンショートヘアや折耳スコ×ブリティッシュフォールドの方が
骨軟骨異形成症は出にくいと言われています)
ですので、パッと見ただけでは危険なFF折耳スコ か危険がマシなFG折耳スコ かわかりません。
またスコ折耳は4パターンあります(pepyさんの写真借りました)
①トリプルフォールド :折り目が三重になるため、耳は顔に沿って完全にたたまれた状態で丸顔に見えます。
ショーで高評価タイプですが、骨軟骨異形成症ににかかりやすい弱点を持っています。
②ダブルフォールド:ぴったりと折り目がついたような状態で、前に耳が折りたたまれていてペットタイプです。
③シングルフォールド:折りたたみ回数が1回であることをあらわしています。そのため折り目はゆるめ。
前方に耳がたれており、完全にたたみきっていない状態でペットタイプです
④立耳:折れることなく耳が立ったまま育つ個体です。
軟骨の形成不全による折耳Fd遺伝子を持たないため、骨軟骨異形成症になる可能性は低いです。
例)立ち耳のスコティッシュフォールドは病気になりにくいって本当
最近はこの④立耳スコをスコティッシュストレートとして、
スコティッシュフォールドから独立した一つの猫種として扱われ、スタンダードが設定されています。
さて、まんちの樹には折耳マンチカンがいます。
↓メロンママです。マンチカン折耳だから耳が立ったり寝たりします。
先輩ブリーダーさんに三代までマンチカンと譲ってもらいました。
(最近他団体の血統書の正式見方を教えてもらい、母系のおばあちゃんにブリが入っていました
三代全てマンチカンでなくおばあちゃんに異種交配入っていたようで間違っていました。ごめんなさい。
インターナショナルキャットクラブはマンチカン×ブリの異種交配を認めているからのようです)
でも、マンチカンは立耳がスタンダートですので、血統書はありますがショーでは失格になります。
マンチカンは当初の交配相手は短足猫以外の猫たちが使われ、
遺伝子プールを増やす・将来の遺伝子疾患のリスクを減らすため、異種交配が行われました。
折耳=祖先のどこかで間違いなく折耳スコの遺伝子が入ったのは間違いありません。
一般的に日本で発行されている血統書は、両親の血統書があれば申請が可能です。
ただし登録された猫が、縦に一列、またジグザグでも証明できれば、その後の代はUN-KNOWNで省略することができます。
「3代続きの京都人」みたいに当代が何代目にあたるは、祖父の代から数えた3代目をさします。
折耳1代目(血量100%)→2代目(血量50%)→3代目(血量25%)→4代目(血量12.5%)→5代目(血量6.25%)
とどんどん薄まります。
マンチカンで折耳遺伝子だけが残った場合、3代薄まれば危険ではないと判断します。
ですので、メロンママのベビーは4代目となり、耳が折れていても安心折耳マンチカンと判断します。
パッと見た目では
FFスコ・FGスコ・スコマンチ(折耳スコ×マンチカン)・折耳マンチカン
どれかわからないのが現実です。
短足立耳マンチカンを選ぶ時は両親確認で大丈夫ですが
折耳マンチカンを選ぶ時は祖父母まで確認して選んでほしいです。