まんちの樹は、
①販売でなく、まんちの樹の実家から、大事な孫ベビーをお嫁・お婿に出すつもりでいます。
また、大切なベビーをお譲りする方には、まんちの樹の猫親戚さんになってもらっていて、
引渡してからも終生まで相談等や親バカのつながりを持っていただきたいと思っています。
②ショーブリーダーのような良い血統のマンチカンより
家族になって飼いやすい性格の良いマンチカンを目指しています。
猫を家族として迎えたい場合、その猫の希望は十人十色です。
マンチカンでも、短足・長足、短毛・長毛、色等の好みが家族間でも違ったりします。
母ちゃんが一番大切にしている事は、
「家族になる方の希望をお伺いして、その家族の希望に近い猫をお譲りする事」です。
マンチカンの血統の濃い子がいい・育てやすい子がいい・甘えん坊で抱っこができる子がいい・明るくてよく遊ぶ元気な子がいい・優しい子がいい、犬と仲良くなれる子がいい、本当に様々です。
嫁婿入りは猫と「家族」になる事・まんちの樹と猫親戚さんになる事ですから、
その希望にできるだけ合うベビーをお譲りできる事を目指しています。
さて、今回からは昨年から異種交配にスコテッシュストレートも導入を選んだ話です。
これは母ちゃんが考えに考えて選んだ選択なので1回では語りつくせません。
何回かに分けて、考えた経緯を兼ねて、お話ししていきます。
〜猫の遺伝的な基礎知識〜
猫ブリーダーをするなら、大事なのはオス。
スタンダード(その猫種の理想的体型・毛並み)で
血統の良い(ショーで先祖がチャンピオンを取っている)エースとなるオスが必要です。
マンチカンのスタンダードとは→こちら
理由は、
①猫は父親の性格が遺伝しやすい
②産まれてくるベビーの遺伝子率は、父系遺伝子20%・母系遺伝子80%
③父系遺伝子交配は、弱体化を防ぎ効率よく良いタイプのベビーが作り出せる
④純血種の猫は色々な猫の交配の中、父系遺伝子を主に掛け合わせ新種が公認されていく
だからです。
具体的に言えば、
猫のブリーディングの基礎は産まれてくるベビーの遺伝子率(父系遺伝子20%、母系遺伝子80%)が問題で、
父系遺伝子交配は、近親の父子交配においても20%+20%=40%にしかならないので
弱体化を防ぎ効率よく良いタイプのベビーが作り出せます。
遺伝子率の問題で、一番怖いのは母系遺伝子の多重交配です。
母系遺伝子が繋がっている者同士の交配は、遺伝子率80%+80%=160%を超えてしまい、
母系遺伝子ベビーはスタンダード通りになりますが、長所短所を色濃く受け継ぐ為虚弱体質になりやすく、
骨格異常・内臓器系統の異常(致死遺伝子の上昇)が多発します。
つまり猫の遺伝は、近親の母系は危険、近親の父系は弱体化を防ぎ効率よく良いタイプのベビーになります。
また、マンチカン のように遺伝子プールがせまい(個体数が少ない)猫種は、どうしても血縁関係は濃くなってしまいます。
それに加え、短足は致死遺伝子の優性遺伝子が関与してしまいます。
そのため、マンチカンは異種交配が認められる猫となったのです。
(現在はマンチカン頭数が増えてきたので、異種交配を禁止しているキャット団体もあります)
今、日本では3つのブリードがあります。
①マンチカン短足×マンチカン短足
ベビーはスタンダードに近く、ほぼ短足のみ。
短足の優性遺伝子は、ダックスフントと同じような働き
をするもので、アメリカでは遺伝疾患を伴わないと主
張されるブリーダーさんもいます(初期には、短足同
士の組み合わせで胸骨変異・背骨異常が出たりする事
があったそうですが、現在では見られないそうです)
まんちの樹は優性遺伝子が不安なので、譲る場合は短足
×短足は反対派です。
②マンチカン短足×マンチカン長足
一般的に行われている交配方法。
短足25%、長足75%の確率です。
③マンチカン長足×マンチカン長足
ベビーはほぼ長足なので、あまり行われません。
(まんちの樹は意図あって時々は長足×長足にする時も
ありますが)
③マンチカン短足×ドメスティック(マンチカンでない家庭猫・土着猫)
異種交配なので遺伝障害が出にくく、ハイブリッドな
ので丈夫で、新しい毛色等を新たにマンチカンに取り
入れることができます。
日本のマンチカンは、異種交配で遺伝子プールを拡大し
てきました。
マンチカンは、ブリーダー・血統書団体により、繁殖可能の猫種が違ったり、考え方が違う事が多い猫種です。判例も少なく、日本ではまだマンチカンに限り遺伝子検査のPKD(多発性嚢胞腎)ができません。(ペルシャ・ペルシャ系交雑種はできますが)
マンチカンは先祖で繁殖に交配する猫種の指定がなく多種の猫種と異種交配してきた為、カラー・模様は他の猫種と違い、さまざまなバリエーションがあります。
マンチカン×ペルシャ→ナポレオン→ミヌエット
マンチカン×アメリカンカール→キンカロー
マンチカン×セルカーレックス→ラムキン
マンチカン×スフィンクス→バンビーノ
マンチカン×ラパーマ→スクークム
マンチカン×ベンガル×サバンナ×α→ジェネッタ
で繁殖させているブリーダーもいます。
異種交配は、骨格・体系が似ている事が大事です。
小さいマンチカンと大きい猫種を交配させると、足の短さから交配時の振動や重さが負担になって、病気やケガを引き起こしてしまう恐れがあるからです。
また、純血種との交配は、雑種に比べ純血種に多い遺伝病の因子の危険があり、他の猫種の骨格の遺伝因子と交雑を避ける必要があります。
とにかく危険なのは各々が持つ遺伝病の因子(猫の種類による好発疾患)です←これについてはまたお話しします。
今後もマンチカンの繁殖の考えを書いていくつもりです。
ブリーダにより見解・考え方の違いはありますので
母ちゃんが絶対に正しいとは思っていませんが、
母ちゃんの考えは、先輩ブリーダからの伝授・書籍・論文・セミナー等&自分の経験を相互してのまんちの樹としての考えです。